会社法の特徴

平成18年5月に約100年ぶりにの大改正により会社法が施行されました。

これまでの会社に関する法律は「商法」や「有限会社法」などによりバラバラに作られていましたが、今回、「会社法」としてこれらの法律が一本化されました。

さらに、最近の社会経済情勢の変化に対応できるように、会社についての各種の制度について、より柔軟にわかりやすく、抜本的かつ体系的な見直しがされました。

これにより、会社設立のための手続きが簡単になったり、会社設立のための費用が少なくなるなど、従来より会社を設立しやすい制度となりました。

まずはこの新会社法の特徴をご説明いたします。



有限会社制度の廃止


会社法では、有限会社の制度が廃止されましたので、今後は有限会社を設立することができなくなります。

それでは、今ある有限会社はどうなってしまうのかといいますと、会社法施行日より「特例有限会社」として存続することになります。

既存の有限会社は、会社法施行日より自動的に特例有限会社へと移行されます。移行のための特別な登記申請や定款の変更は原則として必要ありません。

特例有限会社は、会社法の上では、株式会社の扱いとなります。よって、「社員」→「株主」、「持分」→「株式」、「出資1口」→「1株」、
「有限会社の定款」→「株式会社の定款」のように読み替えられることになります。

また、有限会社の規制にも、次のような変更点があります。

最低資本金制度の撤廃
社員数の制限の廃止
新株予約権・社債の発行が可能

これら以外は、基本的には、従来の有限会社の規制が引き続き適用されます。

「役員の人数制限が無いこと」「決算公告の義務が無いこと」これらは、今までの有限会社に特別に認められていた制度です。会社法施行後も、特例有限会社には特別にこの制度が認められます。


最低資本金制度の廃止


会社設立のための資本金は、今まで、株式会社では1000万円以上、有限会社では300万円以上という規定がありましたが、会社法施行後より、この最低資本金規制が廃止され、資本金1円で株式会社を設立することが可能になりました。

そのために、1000万円という大金を準備しなくても、株式会社を設立することができます。

それでは、最低資本金規制はなぜ撤廃されたのでしょうか?

資本金は本来、債権者を保護するために債権者の最後のよりどころとして捉えられてきました。

しかし、帳簿上の数字としてあるだけで、実際に資本金相当額の現金が会社にあるわけでないため、資本金が本当に債権者を保護するためのものとしての役割を果たしているのかという疑問が呈され、昨今の規制緩和の流れを受け、最低資本金制度が撤廃された考えられます。
 
中小企業庁の調査によりますと、経営者の方が取引先の信用力を判断するときに一番重視すると回答したものの一番は業界における評判(67%)。2番目に実績(66%)、3番目(50%)に経営者個人の信用と続きます。

では資本金の大小で判断するというのは実はたった3%の人しか回答していません。

こういった現状をふまえて最低資本金制度が廃止されものと思われます。
 
また、上記の他に、撤廃された背景として、中小企業庁は以下の理由を挙げています。

1 開業率と廃業率が逆転、つまり廃業率が開業率を上回ったこと
2 ネットビジネス等、少額資産で営業可能な業種が増えたこと
3 最低資本金規制特例制度により、新規の事業創出に一定の成果があったこと

それでは資本金はいくらに設定したらいいのでしょうか?一つの考え方としては、これから始める事業にいったい、いくらぐらいかかるのかを考え、その額を一つの目安として考えられてはいかがでしょうか?サービス業や建設業、飲食店かによって当然金額は違ってくると思います。

また、資本金につきましても、今までは金融機関に依頼して「資本金払込金保管証明書」を発行してもらわなければいけなかったのですが、会社法になって、資本金を発起人名義の通帳に振り込みをするだけでよくなったので、手元に現金があるようでしたら、多めに資本金としてもいいでしょう。


取締役の員数は1人で足りる(非公開会社の場合)


今までは、取締役は3人以上必要で、取締役全員で構成する「取締役会」を最低でも3ヶ月に1回開催しなければなりませんでした。

しかし、会社法施行後より、取締役は1人で足りることとなり、取締役会も設置しなくてもよいこととなりました。

また、監査役も置く必要がなくなりました。それぞれの任期についても変更があり、取締役は2年、監査役は4年であった任期が、原則として10年まで延長できることとなりました。


※注意 「公開会社」と「非公開会社」

公開会社」:自社の株式の譲渡について会社の承認を必要としない会社

非公開会社」:自社の株式の譲渡について会社の承認を必要とする会社
       「株式譲渡制限会社」ともいわれます。